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「最近、電話の声が少し弱くなった気がする」
「冬の夜、ひとりで倒れていたらどうしよう」
離れて暮らす親のことで、ふとこんな心配が浮かぶ方は多いと思います。でも、毎日電話をするのはお互いに負担ですし、何から始めればいいのか分からないまま時間がたってしまいがちです。
私は医療・介護の現場で5年働いていました。退院が近づいた患者さんのご家族が「もっと早く準備しておけばよかった」と話す場面を、何度も見てきました。見守りの道具は、困ってから慌てて探すより、元気なうちに入れておくほうが、親も受け入れやすいと感じています。
この記事では、離れて暮らす親の見守りに使える道具を、「実家にWi-Fiがあるか」「親がカメラを嫌がらないか」の2つで選べるように整理しました。年末年始の帰省は、実家に設置できる数少ないチャンスです。帰省前に読んで、準備するものを決めておいてください。
結論:実家の状況で選ぶならこの3つ
- 実家にWi-Fiがあり、顔も見たい
→ 首振りで部屋全体を映せて、会話もできる見守りカメラ「TP-Link Tapo C210」 - 実家にWi-Fiがあり、親がカメラを嫌がる
→ 映像を撮らずに「動いたか」だけを知らせる「SwitchBot」のセンサー+ハブ - 実家にWi-Fiがない・機械が苦手
→ いつもの電球を替えるだけの「ハローライト」(月額制・通信料込み)
見守りの道具は「2つの質問」で決まる
見守りの道具はたくさんありますが、選び方はシンプルです。次の2つに答えるだけで、候補が1つに絞れます。
質問1:実家にWi-Fiはありますか?
見守りカメラやセンサーの多くは、実家のWi-Fiにつないで、スマホに通知や映像を送る仕組みです。実家にネット回線がない場合は、Wi-Fiなしで使えるタイプ(電球型やSIM内蔵型)を選びます。
帰省したら、まずルーター(ネットの機械)があるかを確認してください。光回線を引いていても、親が「ネットは使っていない」と思い込んでいることがよくあります。
質問2:親はカメラを嫌がりませんか?
ここがいちばん大事です。病院で働いていたころ、ご家族が良かれと思って提案した見守り機器を、ご本人が「監視されているみたいで嫌だ」と断る場面を見てきました。
カメラに抵抗がある親には、映像を撮らずに「動いたかどうか」だけを知らせるセンサーや、電球の点灯で安否を知らせるタイプが向いています。カメラかどうかを決める前に、一度「どこまでなら大丈夫か」を親に聞いてみてください。
見守りの3タイプを比較
| 見守りカメラ | センサー+ハブ | 見守り電球 | |
|---|---|---|---|
| 代表例 | Tapo C210 | SwitchBot | ハローライト |
| 実家のWi-Fi | 必要 | 必要(スマホ通知に) | 不要 |
| 月額 | なし(録画用のmicroSDは別) | なし | あり(通信料込み) |
| 分かること | 部屋の様子・会話 | 動いた・ドアを開けた | 1日1回でも電気をつけたか |
| 親の操作 | 不要 | 不要 | 不要 |
| プライバシー | 映像が残る | 映像なし | 映像なし |
どのタイプも、親がスマホやアプリを操作する必要はありません。設定は子ども側のスマホで行います。
実家にWi-Fiがあり、顔も見たいなら:TP-Link Tapo C210
部屋の様子を映像で確認したいなら、TP-Linkの見守りカメラ「Tapo C210」が候補になります。
- 首振りで部屋全体を映せる:水平360°・垂直114°に動くので、リビングに1台置けば広い範囲を確認できます
- その場で会話ができる:マイクとスピーカーが内蔵されていて、スマホから声をかけられます
- 動きがあると通知:動きを検知するとスマホに通知が届きます
- 夜も見える:暗い部屋でも最長12m先まで映せるナイトビジョン付き
こんな家庭に向いています
「電話に出ないとき、すぐに様子を確認したい」「孫の顔を見せながら話したい」という家庭です。テレビ電話の代わりとして、親のほうも楽しめる使い方ができます。
注意点
- 録画を残すにはmicroSDカードが別に必要です。帰省前に一緒に用意しておくと、現地で慌てません
- 寝室やトイレの近くには置かないこと。リビングなど「人が集まる場所」に置くのが、親の抵抗感を減らすコツです
- 置き場所の近くにコンセントが必要です
カメラは嫌がる親には:SwitchBotのセンサー+ハブ
映像は撮らずに、「今日も普段どおり動いているか」だけを知りたいなら、SwitchBotのセンサーが使えます。
いちばん手軽なのは、冷蔵庫や玄関のドアに「開閉センサー」を貼る方法です。冷蔵庫は毎日必ず開けるので、「今日はまだ開いていない」ことが分かれば、電話をかけるきっかけになります。部屋の中の動きを知りたい場合は、人感センサーを組み合わせます。
SwitchBotの人感センサーProは、カメラを使わないミリ波レーダー式で、動いている人なら最大約8m、じっとしている人も最大約5mまで検知できます。単4電池2本で約2年使えるので、電池交換の手間もほとんどありません。
注意点:離れた場所で通知を受けるには「ハブ」が必要
実家にWi-Fiがない・機械が苦手なら:見守り電球「ハローライト」
実家にネット回線がない場合や、親が新しい機械を置くこと自体を嫌がる場合は、いつもの電球を替えるだけの見守りサービスが向いています。
ヤマト運輸の「クロネコ見守りサービス ハローライト訪問プラン」は、トイレや廊下など毎日使う場所の電球を、通信機能付きの電球に交換して使います。
- 電球の点灯・消灯が24時間確認されないと、家族にメールで通知
- 家族が駆けつけられないときは、依頼すればヤマト運輸のスタッフが代わりに訪問
- 通信機能は電球に内蔵されているので、Wi-Fiの契約は不要
- 料金は月額1,078円(税込)、初期費用なし(2024年1月の発表時点)
出典:ヤマト運輸「クロネコ見守りサービス ハローライト訪問プラン」新規ご入会キャンペーンのお知らせ
申込み方法や最新の料金は、ヤマト運輸の公式サイトで確認してください。自治体によっては、利用料の補助をしているところもあります。
映像でも確認したい場合は、SIMカードが入っていて実家のWi-Fiがなくても使える見守りカメラもあります。ただし、本体代に加えて通信の利用料がかかるので、まずは電球型で様子を見て、必要になったら検討するくらいがちょうどいいと思います。
帰省のときに設置するチェックリスト
年末年始の帰省で設置するなら、次の順番で進めると1日で終わります。
- 帰省前:実家にWi-Fiがあるかを電話で確認。分からなければ「ネットの機械(ルーター)が置いてあるか」を聞く
- 帰省前:本体と、必要ならmicroSDカード・ハブ・延長コードを注文しておく(年末は配送が混むので早めに)
- 帰省中:Wi-Fiのパスワード(ルーター本体のシールに書いてあることが多い)を確認
- 帰省中:親と一緒に置き場所を決める。「どこなら置いてもいいか」を親に選んでもらう
- 帰省中:自分のスマホでアプリを設定し、通知が届くかをその場でテスト
- 帰省中:兄弟姉妹がいるなら、アプリの共有設定で通知を受け取る人を決めておく
親にどう伝えるか
道具よりも難しいのが、親への伝え方です。私が現場で見てきたなかで、受け入れてもらいやすかったのは次のような伝え方でした。
- 「心配だから」より「こっちが安心したいから」と、自分の都合として頼む
- 「監視」ではなく「毎日電話しなくて済むように」と、親の負担が減る話にする
- 置き場所や、映していい範囲を親に決めてもらう
私の両親も県外で暮らしていて、いまは元気に自立しています。見守りの道具は、元気なうちに「これがあると、お互いに気が楽だね」と話せるときのほうが、すんなり受け入れてもらえると思います。
道具だけでは足りないときは、地域の窓口へ
見守りの道具は、「異変に早く気づく」ためのものです。気づいたあとに動いてくれる人や仕組みは、別に用意しておく必要があります。
病院勤務のころ、ひとり暮らしの方の生活を支えるときは、行政のサービスと民間のサービスを組み合わせて環境を整えていました。親が住んでいる地域の地域包括支援センターの連絡先は、見守りの道具を置くのと一緒に控えておいてください。
自治体の緊急通報装置や、認知症の方の見守り(GPS機器の補助など)は、臼杵市の例を臼杵市の高齢者支援まとめ|離れて暮らす親のために今からできることにまとめています。ほかの市町村でも似た制度があることが多いので、親の住む地域で探すときの参考にしてください。
実家の片付けや、空き家になったあとのことが気になってきたら、相続した実家、どこから片付ける?遺品整理から売却までの進め方と費用もあわせてどうぞ。
よくある質問
まとめ
離れて暮らす親の見守りは、実家のWi-Fiの有無と、親がカメラを受け入れるかで選べば迷いません。
- Wi-Fiあり・顔も見たい → 見守りカメラ(Tapo C210)
- Wi-Fiあり・カメラは嫌 → SwitchBotのセンサー+ハブ
- Wi-Fiなし・機械が苦手 → 見守り電球(ハローライト)
年末年始の帰省は、親と顔を合わせて置き場所を決められる貴重な機会です。年末は配送も混み合うので、帰省の前に準備しておいてください。