「うちの子、他の子とくらべてちょっとゆっくりかもしれない」
そう思ったとき、多くの方がまず考えるのは「気のせいかもしれない」「もう少し様子を見よう」ということではないでしょうか。
この記事では、診断のようなことは一切しません。かわりに、気になったときに「どこへ、どの順番で相談すればいいのか」という地図だけをお渡しします。相談は、何かを決めるための場ではなく、選択肢を増やすための場です。
「気のせいかもしれない」で止まってしまうのは、自然なことです
相談をためらう気持ちには、だいたい理由があります。
- 大げさな親だと思われたくない
- 「障害」という言葉を突きつけられるのが怖い
- 相談したら、何かが決まってしまう気がする
- そもそも、誰に言えばいいのかわからない
どれも、お子さんを大事に思っているからこそ出てくる気持ちです。実際、相談窓口に来られる保護者の方の多くが、何ヶ月も、ときには何年も迷ってから来られます。
ただ一つだけお伝えしたいのは、相談は「決める場」ではなく「聞く場」だということです。話してみて、何もしないという結論になることもあります。それでまったく問題ありません。
相談先は大きく3つ|どこから始めればいいか
相談先は、性格の違う3つに分けられます。
| 相談先 | 何を相談できるか | こんなときに |
|---|---|---|
| 市町村の窓口 (保健センター・子育て支援センター) | 発達の相談全般、地域の支援の紹介、今後の流れ | 最初の一歩。何から話せばいいかわからないとき |
| かかりつけ医・小児科 | 身体面の確認、必要に応じて専門医療機関の紹介 | 体の発育や、聞こえ・見え方も気になるとき |
| 専門の相談機関 (発達障がい者支援センター等) | 発達の特性についての専門的な相談 | もう少し踏み込んで相談したいとき |
① 市町村の窓口(いちばん最初でいい)
迷ったら、ここからで大丈夫です。
市町村の窓口は、「まだ何もはっきりしていない段階」の相談に慣れています。「特に困っているわけではないけれど、なんとなく気になる」という状態でも受けてもらえます。
そしてここが一番大きいのですが、市町村の窓口は地域にどんな支援があるかを把握しているので、話した内容に応じて次の行き先を教えてもらえます。いきなり専門機関を探すより、ずっと近道です。
② かかりつけ医・小児科
ことばが遅い、名前を呼んでも振り向きにくい、といったことが気になる場合、聞こえや目の見え方が背景にあることもあります。身体面の確認は、早い段階でしておくと安心材料になります。
普段からお子さんを診てもらっている先生であれば、経過も知ってくれているので相談しやすいはずです。
③ 専門の相談機関
各都道府県に「発達障がい者支援センター」が置かれています。診断を受けていなくても、本人・家族が相談できます。子どもだけでなく大人の相談も受けている機関です。
【臼杵市・大分県の方へ】具体的な相談先
臼杵市にお住まいの場合、最初の相談先はここになります。
・臼杵市子ども・子育て総合支援センター「ちあぽーと」
子育て全般のワンストップ窓口です。発達のことに限らず、子育ての困りごとをまとめて相談できます。
・臼杵市役所
臼杵庁舎 0972-63-1111 / 野津庁舎 0974-32-2220
担当窓口につないでもらえます。
・大分県発達障がい者支援センター「ECOAL(イコール)」
大分市中戸次5628番地の1 / 097-578-6952
県内全域が対象の専門相談機関です。
※窓口の名称・受付時間・担当課は変わることがあります。お出かけ前に電話でご確認ください。
臼杵市の子育て支援制度全般については、こちらにまとめています。
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相談前に整理しておくと、話が早く進む5つのこと
ここが、この記事でいちばんお伝えしたい部分です。
相談を受ける側は、限られた時間のなかでお子さんの様子をつかもうとしています。次の5つがあると、初回の相談の密度がまったく変わります。
1. 「いつ」「どこで」「何が」気になったか
「落ち着きがない」よりも、「スーパーでは手を離すとすぐ走っていく。家では座って遊べる」のほうが、はるかに多くのことが伝わります。
場面によって様子が違うこと自体が、大事な情報です。「どこでもそうなのか、特定の場面だけなのか」は、必ず聞かれると思ってください。
2. できていること
困りごとだけを話すと、お子さんの全体像が見えません。「これは得意」「これは好き」を1つでも用意しておくと、支援を考えるときの手がかりになります。
支援は、できないことを埋める作業ではなく、できることを足場にして広げていく作業です。
3. 家族以外の人からの指摘の有無
保育園や幼稚園、学校の先生から何か言われたことがあるか。言われていないなら「言われていない」も情報です。
家庭でだけ気になるのか、集団のなかでも気になるのかで、見立ては変わります。
4. 時系列のメモ
「歩き始めたのはいつごろか」「ことばが出たのはいつごろか」。正確でなくて構いません。母子健康手帳を持っていくのがいちばん早いです。
5. 保護者自身が、いま何にいちばん困っているか
意外に思われるかもしれませんが、これが抜けがちです。
「朝の支度に毎日1時間かかって、仕事に遅刻しそうになる」。この一言があるだけで、支援の優先順位が決まります。お子さんのことだけでなく、ご家庭で何が回っていないかを、遠慮なく話して大丈夫です。
スマートフォンのメモに箇条書きしておくだけで十分です。きれいにまとめる必要はありません。
よくある誤解3つ
「相談したら、療育に通うことが決まってしまう」
決まりません。相談と利用は別の手続きです。児童発達支援や放課後等デイサービスを利用するには「障害児通所受給者証」という別の申請が必要で、それは保護者が申し込んで初めて動き出します。
「相談すると診断名がつく」
相談窓口は診断をする場ではありません。診断は医師が行うもので、相談の結果として医療機関を紹介されることはあっても、窓口で診断名がつくことはありません。
「早く動くと、決めつけになるのでは」
相談することと、何かを決めることは別です。むしろ早い段階で相談しておくと、「今は様子を見る」という判断も、根拠を持ってできるようになります。
「様子を見ましょう」と言われたときの受け止め方
相談や健診で、この言葉を聞くことがあります。突き放されたように感じる方もいますが、多くの場合これは「今の時点では判断材料が足りないので、変化を見たい」という意味です。
大事なのは、次の2つを確認しておくことです。
- どのくらいの期間、様子を見るのか
- どうなったら、もう一度相談していいのか
この2つを聞いておくと、「見送られた」ではなく「次の予定が決まった」という状態になります。曖昧なままだと、不安だけが続いてしまいます。
よくある質問
まとめ
- 相談は「決める場」ではなく「聞く場」。何もしないという結論もあり得ます
- 迷ったら、まず市町村の窓口。次の行き先を教えてもらえます
- 相談前に、場面・できること・第三者の指摘・時系列・保護者自身の困りごとの5つをメモしておくと、初回から話が進みます
- 「様子を見ましょう」と言われたら、期間と再相談の目安だけは確認を
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