「乳歯はいずれ抜けるから、虫歯になっても大丈夫?」
いいえ、それは大きな間違いです。
乳歯の虫歯は、永久歯の歯並びや質に大きく影響します。
実は、生まれたばかりの赤ちゃんの口には、虫歯菌(ミュータンス菌)は一匹もいません。
それなのに、なぜ虫歯になってしまうのでしょうか?
この記事では、赤ちゃんのきれいな歯を大人になるまで守り抜くための「正しい予防知識」と「生活習慣のポイント」を紹介します。
歯磨きに自信がないママパパも、今日からできることばかりですので、ぜひ参考にしてください。
衝撃の事実!虫歯菌は「親」からやってくる
まず知っておくべきは、「虫歯は感染症である」ということです。
「感染の窓」をご存知ですか?
虫歯菌は、主にスプーンの共有やキス、くしゃみなどを通じて、大人の唾液から赤ちゃんに感染します。
特に、奥歯が生え揃う「1歳7ヶ月〜2歳7ヶ月頃」は最も感染しやすい時期と言われ、「感染の窓」と呼ばれています。
パパママができる最強の対策
食器の共有を避けることも大切ですが、完全に防ぐのは不可能です。
最も効果的なのは、「ママパパ自身が虫歯を治療し、口の中を清潔に保つこと」です。
親の口内細菌を減らせば、赤ちゃんへの感染リスクは激減します。まずは大人が歯科検診に行きましょう。
歯磨きだけじゃない! 虫歯を防ぐ「4つの黄金ルール」
虫歯予防=歯磨きと思われがちですが、実は「生活習慣」の方が重要度は高いと言われています。以下の4つのポイントを押さえましょう。
1. フッ素を活用する(歯質の強化)
歯磨き粉やジェルに含まれる「フッ素」は、歯を強くし、初期虫歯を修復する効果があります。
〜2歳頃まで: フッ素濃度 500〜950ppm(ジェルや泡タイプがおすすめ)
3歳〜: うがいができるようになったら通常の子供用歯磨き粉へ。
歯科医院での塗布: 市販品の約10倍濃度のフッ素を塗ってもらえます(3ヶ月に1回推奨)。
2. 「ダラダラ食べ」をしない(食生活)
実は「何を食べるか(砂糖の量)」よりも、「どう食べるか(回数)」の方が重要です。
口の中は、食事のたびに酸性になり、歯が溶け出します(脱灰)。その後、唾液の力で時間をかけて中性に戻り、歯が修復されます(再石灰化)。
ダラダラ食べ: 常に口の中が酸性になり、修復する暇がなく、穴が開く。
時間を決める: 「おやつは10時と15時」と決め、唾液が働く時間を確保する。
唾液のすごいパワー :よく噛んで唾液を出すことは、天然のデンタルケアです。
自浄作用: 汚れを洗い流す
再石灰化作用: 溶けた歯を修復する
抗菌作用: 菌の増殖を抑える 離乳食でカミカミできる食材(根菜類など)を取り入れ、しっかり噛む習慣をつけましょう。
3. 仕上げ磨きの徹底
子供が自分で磨けるようになるのは、小学校中学年くらいからです。
それまでは親の「仕上げ磨き」が必須です。 特に、「寝る前の歯磨き」が一番大切。
寝ている間は唾液が減り、虫歯菌が活発になるためです。
4. 定期検診の習慣化(プロケア)
「歯が痛くなってから行く」のではなく、「痛くならないように行く」のが今の常識です。
デビュー時期: 歯が生え始めたら(生後6ヶ月〜1歳頃)。
頻度: 3ヶ月〜半年に1回。 歯医者さんに慣れておけば、万が一治療が必要になった時もスムーズです。
歯磨きを嫌がる! 克服するための工夫
そうは言っても、多くの赤ちゃんは口を触られるのを嫌がります。
無理やり押さえつけるとトラウマになってしまうことも。 以下のステップで、焦らず慣らしていきましょう。
スキンシップから: 頬や唇を触る遊びをして、口周りの感覚に慣れさせる。
道具に慣れる: 歯ブラシをカミカミさせたり(のど突き防止プレート付き)、ガーゼで拭うことから始める。
楽しい雰囲気で:
「あ〜ん」と大きく口を開けたらオーバーに褒める。
歯磨き動画やアプリを見せながら行う。
パパママが楽しそうに磨いている姿を見せる。
Point :完璧に磨けなくても、自己嫌悪にならなくて大丈夫。 フッ素や食生活のコントロールと合わせて、トータルで予防できていれば合格点です。
これって本当? 気になる疑問Q&A
Q. 指しゃぶりは歯並びが悪くなる?
A. 3歳頃までは無理にやめさせなくてOK。 指しゃぶりは赤ちゃんにとって精神安定剤のようなものです。 3歳頃までは歯並びへの影響は一時的で、自然に治ることが多いです。しかし、4歳を過ぎて永久歯が生える準備期間に入っても続いている場合は、「開咬(かいこう:前歯が噛み合わない)」や「出っ歯」の原因になるため、歯科医に相談しながら少しずつやめる練習をしましょう。
Q. 歯磨き粉はうがいができないと使えない?
A. 拭き取りでOKなジェルタイプがあります。 うがいができないうちは、低濃度のフッ素ジェルを使い、磨いた後にガーゼで軽く拭き取るか、そのままでも大丈夫な製品を選びましょう。
おわりに:乳歯ケアは「一生モノ」のプレゼント
虫歯になりやすい体質や歯並びは、遺伝だけでなく、幼少期の生活習慣で決まります。
今、ママパパが頑張ってケアしてあげることは、将来のお子さんへの「健康な歯」という一生モノのプレゼントになります。
完璧を目指してピリピリする必要はありません。
「おやつは時間を決める」「寝る前だけは仕上げ磨きをする」「定期的に歯医者さんに見せる」。
この3つを意識して、親子で楽しく虫歯ゼロを目指しましょう!